【入門編】ホラー映画はこれを見るべし!10作品

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ゾクゾクした恐怖にいつの間にか引き込まれてしまう、ホラー映画の魅力。

特に有名で怖くて、ホラー映画の王道といえる10作品を紹介します。

なお、ホラー映画に入門したい方に向けて、最後に作品の「グロ度 エグ度」も記載させていただきました。
まずは度数の低いものから入るのもよし、突然ショッキングな作品に出会って人生観が変わるような衝撃を受けるもよし、参考にしていただけたら幸いです^ ^

それでは、ご案内します。

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No.1「悪魔のいけにえ」(1974年)
★★★★★

【ストーリー】
テキサスに旅行に来た5人の若者を、人皮を被った謎のチェーンソー男が次々と惨殺してゆく。

【みどころ】
いきなりですが、まさにホラー映画の金字塔であり、真打ち的な作品です。
この作品には、多くのハリウッド映画にあるような高い完成度とは程遠く、むしろ映像のクオリティは、素人が撮ったような雰囲気に近いです。

それなのに、凄まじく恐ろしい映画なんです。

雑でザラザラとした映像。唐突で脈絡のない物語。何の説明もない滅茶苦茶なキャラクター造形。思わず絶句するラストシーン。こうした要素は、通常の映画だとマイナスに作用するはずなのですが、本作では何を間違ったか、全てプラスに働いてしまっています。つまり、粗い部分が全て「わけの分からない恐怖」に結実しているという、狙ってもできない究極の完成形になっているのです。

語りたいことは山ほどありますが、特に凄まじいのは
・一人目の殺人シーン
・中盤のくどすぎるチェーンソーチェイス
・ラストのシークエンス一連

で、それぞれが映画史に刻まれる異常さをもって畳み掛けてきます。
そもそも、何故殺人鬼が人皮を被っているのかとか、家の中の謎の装飾は何なのかとか、部屋にいた干からびたミイラは何だったのかとか、肝心な部分が全然明かされていきません。
理解ができないことが一番怖いとはまさにこのこと。
とんでもない意味不明さと歪さを持った84分です。
観賞後はチェーンソーの轟音と女性の悲鳴が音が頭から離れなくなるでしょう。

私はこの作品を中学生の時に観て、文字通りハンマーで頭を殴られたかのような衝撃を受けました。観賞直後は「二度と観るものか」と思いましたが、忘れられぬ体験になりました。
何故か今では、大好きな映画の一つです。
あまりに異様過ぎて言語化が難しい作品なので、ぜひ体感していただきたいです・・・!!

【グロ度】★★
チェーンソーが何度も出てくる映画ですが、意外なことにほとんど血は出て来ないです。しかし「想像させる恐怖」が上手いので怖さは倍増しています。

【エグ度】★★★★
シチュエーションやその追い込み方が色々エグいです。間違っても家族や恋人と観てはいけないホラー映画です…

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No.2「オーメン」(1976年)
★★★★

【ストーリー】
外交官夫妻がひきとった子供:ダミアンは、頭に666の刻印がある《悪魔の子》だった。やがて、彼らの周辺で次々と残虐な死亡事故が起きる・・・。

【みどころ】
世界中で大ヒットを記録した、悪魔を題材としたオカルト映画の金字塔です。同時期に「エクソシスト」という超有名オカルト映画もありますが、よりテンポが良く見やすい(?)作品として、こちらをチョイスしました。
とにかくストーリーは単純明快で、この悪魔の子に取り憑かれた一家の周囲の人間が次々と死んでいき、疑念を抱いて調べ始めた人間も悲惨な死を遂げてゆく、という話です。しかしながら、映画を取り巻く全技術のクオリティが最高レベルに達しているため、一流のホラー映画として君臨し続けているように思われます。特に素晴らしいと思うのは、以下の4点です。

・リチャード・ドナー監督(『スーパーマン』『リーサル・ウェポン』)の圧倒的な演出力。全体を包み込むオカルト要素やロケーションの選定、陰影を使った映像表現が作品に味わいをもたらせています。(ちなみに撮影監督は、なんとこの後『スター・ウォーズ』を担当するギルバート・テイラー)

・超大御所俳優:グレゴリー・ペック(『ローマの休日』)の出演。

・映画史上最高の作曲家の一人:ジェリー・ゴールドスミスのとてつもなく荘厳で格好いい音楽!(この年のアカデミー最優秀作曲賞を受賞)

・ここまでやるか!とばりに凝りに凝った殺人シーンの数々。

特に殺人シーンのインパクトはやはり特筆すべきもので、ベビーシッターの首吊り、串刺しの神父、そして硝子で首が・・・とても書ききれません。

シンプルなストーリーでも、見せ方によって傑作にも駄作にもなる。
そんなことを考えさせてくれる見事な名作だと思います。

【グロ度】★★★
首が飛んだり、殺人シーンはかなり衝撃的です。

【エグ度】★★★
話の展開もなかなかどんよりしています。

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No.3「キャリー」(1976年)
★★★★☆

【ストーリー】
女子高生のキャリーは、いじめられっ子だが心優しい女の子。
実は彼女は念能力の持ち主だった。やがて同級生のイジメが度を越し、キャリーの怒りが爆発した瞬間、とてつもない惨劇の幕が開く・・・。

【みどころ】
哀しくも恐ろしい、ヒューマンホラーの最高傑作です。
「平凡でも幸せになりたい」「好きな男性と恋をしたい」ただそれだけを願っていた女の子が人間性を踏みにじられ、超能力を爆発させて他者を血祭りに上げてゆくさまに泣かされます。キャリー役:シシー・スペイセクはまさにこの役を演じるために生まれてきたのではと思えるほどのハマり方で、この映画を観た者は、そのおぞましい表情を一生忘れることはできないでしょう。

また本作は、サスペンス&ホラーの巨匠:ブライアン・デ・パルマ監督の出世作であり、大ヒットした作品ですが、それも頷けるほど高度な映像演出に鳥肌が立ちます。スローモーションを使ったり、画面を2分割したり、俯瞰やアオリを含めた縦横無尽なカメラワークを多用するのがこの監督の持ち味。それが全編に渡り発揮されているわけですが、特に素晴らしいのが作品の山場となるバケツの血の場面。このシーンはもう、カット割りから音楽とのシンクロ率まで、天才監督が一生に一回出せるかというレベルの凄まじい完成度で、映像に携わる者からすると絶句してしまうほどです。

今見るとストーリーのテンポはゆったりしている印象もありますが、演出、映像、演技、音楽、そして映画館が揺れたという伝説のラスト、全てにおいて死角のない大傑作だと思います。

今だからこそ、改めて多くの人に観てほしい作品です。

【グロ度】★★
例によって血が降り注ぐシーンがありますが…グロいかと言われると、そういう印象はあまりありません。

【エグ度】★★
気持ち的には辛い話ですが…ガチで嫌悪感を催す類のものではないです。

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No.4「サスペリア」(1977年)
★★★★☆

【ストーリー】
ドイツのバレエ名門校には、魔女たちが棲んでいる…!?
生徒たちが次々と惨殺されてゆく!

【みどころ】
赤青緑の極彩色と美女、殺人、そして異常な音楽が融合した唯一無二の伝説作品です。ストーリーは極めて単純であり、人間ドラマもあって無いようなもなのですが、冒頭から驚愕するようなテンションの高さで99分突っ走るので、感服としか言いようがありません。

特にMVPなのは音楽と照明です。「ゾンビ」でも音楽を担当したゴブリンは、本作でもまさにスプラッター・ロックというべき、未体験的なユーロプログレの音楽の世界を構築しており、その変態さに引き込まれます。
照明も「ふつうはやらんだろ…」という、赤と緑を極端に強調した異様な世界観で、この映画にしか有り得ない映像に圧倒されます。
ここに残虐な殺人シーンが何度も襲いかかってくるわけですが、それぞれの方法も狂気の沙汰という感じで、絶句するしかありません。
イタリアのホラー映画、おそるべし…

監督でありホラーの帝王:ダリオ・アルジェントは、美女をいたぶる映画を撮ることで有名ですが、まさにその鬼才振りが極まった決定版が本作です。
倫理的に限りなくアウトですが、とんでもない視覚のインパクトを持ち、物語もギリギリのラインで成立している、ホラー映画のクレイジーな金字塔がここにあります。
今後も語り継がれる映画になることは間違いありません。

【グロ度】★★★★
意外にそれほどでもない気もするのですが、冒頭の心臓の描写は…アウトです。

【エグ度】★★★★
殺人シーンやその方法は相当エグいです。
エグすぎて「あちゃ〜…」とちょっと引いた目線で見れるかもしれません。

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No.5「ゾンビ」(1978年)
★★★★☆

【ストーリー】
突然現れ、世界中の人々に襲いかかりはじめた<生ける死者>ゾンビの群れ。街から脱出した男女4人が、巨大なショッピングモールに立てこもり、ゾンビたちと戦いまくる!

【みどころ】
カメ止めをはじめ、ここにきて巷を席巻しているゾンビ映画というジャンルですが、その名前を世界に知らしめた、原点にして金字塔的な作品が本作です。
ゾンビ一体一体は弱く、ゆっくり歩いてきて噛みつく攻撃力しかない。脳を破壊されたらすぐに死んでしまう。それでも集団になると倒しきれない。そうこうしているうちに、人間側がエゴによっていがみ合い、結果的に破滅してしまう。このパワーバランスが絶妙で、今観ても唸らされるばかりです。極限状態に追い込まれた人間同士のヒューマンスリラーとしても十分怖く、見応えがあります。

それでもやはりこの作品の最大の見所は、巨大ショッピングセンターでのゾンビとの攻防でしょう。作戦を立ててゾンビを殲滅してゆく面白さ。独り占めされた夢のようなショッピング空間。それでもジリジリと迫って来るゾンビの群れ。アドベンチャラスで、エンターテイメントと恐怖とが融合したシーンの数々は、今見ても胸踊ります。

ゴブリンの音楽も圧倒的な異様さとインパクトを持っており、この作品にとてつもない魅力を与えています。というか、ホラーなのにやたらリズミカルなのが凄い。一体どんな発想をしたら、ゾンビというコンセプトでこんな音楽を書けるのでしょうか。

昨今の走るゾンビや、強いゾンビを見慣れていると随分ノンビリ感じるかもしれませんが、それ以前には凄まじいインパクトを観客に与えた、歴史的なホラー映画であることは間違いありません。

40年以上前の作品ですが、素晴らしいシナリオをもって、未だにこれを超える作品はない、別格のゾンビ映画と断言できます。
と思っていたのですが、近年公開された「アイアムアヒーロー」(’16)、「新感線  ファイナル・エクスプレス(’16)は非常に素晴らしい出来栄えで、本作に迫るレベルに感じたことは付け加えておきます。

【グロ度】★★★★
終盤、内臓が出てきたり、やたらグロくなります。
あのメーターを振り切ったグロを抑えてれば、もっと多くの方に勧められるのに…という思いはあります(好きな人すみません)。

【エグ度】★★★
ゾンビはやたら死にますが、もともと死んでいることもあり、殺されてもエグい印象はそれほど無いです。終盤の死体量にはさすがに胸焼けを起こしますが…

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No.6「エイリアン」(1979年)
★★★★☆

【ストーリー】
大型宇宙船に、得体の知れぬ異星人(エイリアン)が侵入。
閉鎖空間の中で、一人、また一人と血祭りにあげられてゆく・・・。

【みどころ】
圧倒的な恐怖とビジュアル、視覚効果を持って、異形の生物との対決を描いたSFホラーの金字塔です。すさまじい完成度を持った作品なのは確かですが、ストーリーはいたってシンプル。にもかかわらず、何がこの作品を、40年以上SFホラーというジャンルのトップに君臨させているのでしょうか。

一つ圧倒的なのは、やはり「異星人の恐るべき生態を一つ一つ、ディテールに至るまで完璧に描いた」ということでしょう。見知らぬ惑星に乗組員が落ち合うと、なにやら巨大な宇宙人がミイラになって死んでいる(この前提的な発想がそもそも凄い)。そして地底に進んでゆくと、巨大な卵のような物体が無数に乱立している空間が(異常なまでに気味が悪い)。やがてサソリのような生物が顔に貼り付き、やがてその人間の腹に産みつけられた卵によって《本体》が出てくる・・・。

宇宙人=火星のタコみたいな生物
という認識が一般的だった当時において、どれほど衝撃的だったことでしょう。異星人の生態を徹底的に考え尽くし、全く新しいクリーチャーを説得力をもって生み出してしまったこの作品のパワーは、今見ても斬新極まりありません。地球外惑星や巨大宇宙船、一つ一つの美術も完成されまくっており、もはや絵画を眺めているかのような味わいすら感じます(展開はかなりゆったりなので、賛否分かれるところかもしれません)。

エンターテイメント映画としても、終盤の生き残った乗組員VSエイリアンの対決は燃えるものがあり、恐ろしい視覚効果と音楽もあいまって、ぐいぐい引き込まれてゆきます。

間違いなく最高品質の傑作なので、ぜひ観てみてほしいです。
ちなみに続編「エイリアン2」はこのパート1とは違ったベクトルですが、こちらも超傑作です。映画ファンの間では比較され、どちら派かよく議論になります(笑)。
私はどちらも神映画だと思いますが、実は僅差で2の方が好きだったりします。

【グロ度】★★★
一箇所、グロいシーンがありますが、それを乗り切ってしまえば…

【エグ度】★★★
宇宙船の逃げ場のない閉鎖空間っぷりに、かなりメンタルはやられます。

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No.7「シャイニング」(1980年)
★★★★★

【ストーリー】
雪山に閉ざされた巨大ホテルの管理を任された小説家が、次第にホテルの魔力に取り憑かれて発狂してゆく。やがて、連れてきた妻と息子を殺そうとする。

【みどころ】
映画史上最強の鬼才監督:スタンリー・キューブリックが満を辞して発表した究極のホラー映画です。はっきり言って、作品をつくる全ての要素が、人間に作れるレベルを超えています。惚れ惚れするほど圧倒的に完成されており、そして、めちゃくちゃ怖いホラー映画です。

まずは世界観。巨大ホテルから、冬季閉鎖で人がどんどんいなくなり、最終的に家族3人で管理するという孤立した恐ろしさ。さらに雪の巨大迷路、血のエレベーター、やたら広いボールルームなど、ホテル内のヤバそうな場所が強力なイマジネーションを加えて、次々と恐怖の装置に転換して発動してゆきます。どうやったらあんな発想が浮かんでくるのか……原作ガン無視で、映画ならではの自由なアイディアを入れ込み続ける、キューブリックのすごさに鳥肌です(原作者のスティーブン・キングは激怒したといわれます)。

さらに、映像。シンメトリーを基調とした異様な画角、そして「ステディカム」という撮影機材を使い、ホテル内を縦横無尽に幽霊のように動きまくるカメラワークが恐怖を煽ります。三輪車をこぐ男の子を背後から追い続けるシーン。物語上なんということもないシーンのはずが、とても恐ろしいものを見ているような気分になります。

そして何と言っても、俳優陣の演技。主演のジャック・ニコルソンは、1989年公開の「バットマン」でジョーカー役を演じていますが、本作での圧倒的なまでの演技を見ると、抜擢されたのも納得です。
とにかく狂気、狂気、狂気。ホテルの持つ魔力と孤独に耐えられず、どんどん精神を病んでいき、発狂してゆく男の恐ろしさをmaxのテンションで表現します。やがて完全におかしくなり、愛すべき家族を殺そうと、斧を持って扉を叩き割って来る怖さ!とんでもない表情の力(=顔芸)をもって、凄まじいインパクトのシーンが次々と展開されます。
さらに、夫に襲われる奥さん役:シェリー・デュバルの演技も素晴らし過ぎます。というか、恐怖に慄く顔があまりにも怖すぎて、もはやニコルソンより奥さんの顔の方が怖いのでは…

観念的で訳の分からないシーンもありますが、そんな意味不明さも含めて感覚的に楽しめたら、とても魅力的なホラー映画になるのでないかと思います。私はこの作品を中学生の時に観て、それ以来ホラー映画の虜になってしまいました。今でも、あの“原稿用紙の束”を目撃した瞬間に味わった、背筋の凍るようなおぞましさは忘れられません。

【グロ度】★
斧が刺さるシーンだけありますが、基本的に全然グロくはないです。

【エグ度】★
別段エグさも感じないです。それでも滅茶苦茶怖いというあたりにこの作品の風格があります…

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No.8「死霊のはらわた」(1984年)
★★★★

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【ストーリー】
山小屋に遊びに来た5人が、その地下に巣食っていた悪霊に取り憑かれ、次々とすんごいことになる。唯一生き残った男・アッシュは無事生還できるのか!?

【みどころ】
ドロドロ・グチャグチャのイマジネーションと、常にハイテンションなストーリー展開が多くのオタクファンを生み出した、B級スプラッターホラーの歴史的傑作です。「予算はないけど見てろ!」とばかりに、山小屋1件をひたすら使い倒し、観客を飽きさせない起伏ある展開を考えて、一級のエンターテイメントに仕上げてしまった監督:サム・ライミの才能!この後スパイダーマンの監督に抜擢されたのも納得です。

「いきすぎたスプラッターはギャグになる」というのを証明したのも本作の魅力で、とんでもない破壊描写に笑いが出る、というレアな体験ができるかもしれません。中盤以降、ほぼ1人でこの映画を成立させているブルース・キャンベルの芝居も素晴らしいですし、清々しいまでの手作り感と、ラストの潔さも言うことありません。

ちなみに本作を楽しめた方は、ぜひピータ・ジャクソン監督の「ブレインデッド」も観てみてください。これがまた死ぬほど面白いです。おそらく私が人生で一番爆笑した映画です。それはもう「死霊のはらわた」以上にすさまじいインパクトです。
ならブレインデッドを紹介しろよって話なんですが、DVDがほとんど出回っておらず、観るのが困難なのです。たぶん東京の渋谷TSUTAYAくらいにしか置いてありません……再発売を熱望しています!

【グロ度】★★★
グロいといえば盛大にグロいのですが…後半あたりから、何がグロいのかよく分からなくなって来るので、そういう意味ではグロくないです。

【エグ度】★★
やや軽薄な若者が次々死霊へ変貌してゆくのですが、そんなに思い入れもないし、エグ度は薄いです。

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ホラー映画の黄金期と言われる80年代。
「ハロウィン」(’78)「13日の金曜日」(’80)「遊星からの物体X」(’82)
「バタリアン」(’84)「エルム街の悪夢」(’84)「チャイルド・プレイ」(’88) 
等々、紹介したい名作は数多くありますが、惜しくもベスト10には入れられず…また次の機会に語りたいと思います!
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No.9「スクリーム」(1996年)
★★★★☆

【ストーリー】
とある街で殺人事件が発生。休校となった高校生たちが、自宅に集まってホラー映画観賞パーティを始めるが、凶悪な殺人鬼の魔の手が迫る・・・。

【みどころ】
「ハロウィン」「13日の金曜日」「エルム街の悪夢」といった、いわゆる<殺人鬼系ホラーシリーズ>がすっかり下火になってしまった90年代。そんななか、発想を変えて過去の殺人鬼ホラー映画を徹底的にパロディ&メタ化し、最高のエンターテイメントとして再構築してしまった大傑作です。なかなか文章で説明し辛いのですが、楽屋オチ的な楽しさを入れつつ、スピーディで飽きさせない展開、殺人シーンのハラハラ感、ユーモア、犯人当て、あらゆる要素を完璧に融合させたハイレベルなシナリオは天才的の一言。ホラーファンならずとも知られている【ムンクの叫び】的な殺人鬼のマスクもインパクト抜群、かつどこかユーモラスでとても良いです。

最初の15分を観ただけで、この映画のシナリオは只者ではないのが分かりますし、その後登場する主要キャラクターも魅力的に作られていて、どんどん引き込まれます。思いもよらない人物が、後半になってぐいぐいストーリーを引っ張ってゆくのもダイナミック。加えて、監督のW・クレイブンは家の中でのアクションを撮るのが異常に上手く、何度も登場する殺人鬼との対決も、それぞれがハラハラさせられる魅力的なシーンに仕上がっています。

倫理観の欠如も甚だしい映画で、子供には見せられませんが、ホラーをエンタメとして楽しめる引き出しがあればきっとハマる傑作です。

【グロ度】★★★★
殺人鬼映画を踏襲しているだけあって、なかなかグロいです。

【エグ度】★★★
いっぱい人は死にますが、良くも悪くもエンターテイメントに仕上がっているので、それほどでもないです。

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No.10「ソウ」(2004年)
★★★★☆

【ストーリー】
目覚めると、部屋の中には一体の死体。足に鎖が繋がれた自分と、対面にはもう一人別の男がいる。自分のポケットに入れられていたテープレコーダーを再生すると「さぁ、ゲームをしよう」という音声が。
果たして彼らは、この状況を脱出することができるのか・・・

【みどころ】
いわゆる<ソリッド・シチュエーション・スリラー>というジャンルを確立してしまった歴史的な名作であり、金字塔的な最高傑作です。限られた状況下にある人間の極限の戦いを、スリリングに描いた作品のことを指すこのジャンル。低予算でも作れることから「ソウ」直後から雨後の筍のように量産され、日本のアイドルを主役にしたホラー映画等でも、数多くの作品が作られています。

ところが、この作品を超えたモノに出会えた記憶はありません。

まず凄いのは、やはり最強の大どんでん返しに支えられた強度なシナリオ。あのインパクト抜群のラストシーンを思いついたのは天才です。
全体のシナリオを見ても、部屋の中での2人のジリジリしたやりとりを軸にしながら、別軸で犯人を追う刑事の物語、捕らえられた妻子の物語の3つを絶妙にシーンバックさせるあたり、素晴らしいなと思います。

そのシナリオをしっかり活かす、スピード感溢れるカメラワークと編集も非常に良質で、この後のスリラーのトレンドを作りました。監督:ジェームズ・ワン(当時26歳!)はこの作品をきっかけとして、その後「死霊館」シリーズや「ワイルド・スピード」シリーズ、「アクアマン」を監督するなど大出世を遂げましたが、その活躍にも納得の才気溢れる出来栄えです。

ラストの「Game Over…!」の衝撃と快感。
恐ろしい作品ですが、ぜひあの衝撃を味わっていただきたいです。

【グロ度】★★★★
犯人が仕掛けられたゲームや罠はなかなかグロいです。続編はもっとエグいわけですが・・・

【エグ度】★★★★
続編に比べればマシですが、なかなかエグい!

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入門編ホラー映画10本、いかがだったでしょうか?
興味のわいた作品があれば、ぜひお時間のある時にチェックしていただけたら嬉しいです。

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